青い光
放課後、私は詩織から聞いた『マミヤ写真館』へ向かった。

（ここかぁ・・・）

そのレトロな造りの洋風館みたいな『マミヤ写真館』で間宮君が店番？・・・をしていた。

「あのぅ・・・」

私は勇気をだして店の扉を開けた。

「いらっしゃいませ・・・あれ？」

間宮君は私の顔を覚えていたようで、少し照れたような笑顔を浮かべた。

「鼻・・・？」

間宮君は鼻にギブスをつけていた。

「バイクと衝突したときに鼻の骨が折れたみたいで・・・」

信平君は鼻にギブスをした顔で苦笑いをした。

「笑い事じゃないわよ！」
「えっ？」
「もし、犯人がナイフでも持っていたらどうするのよ！」
「・・・・」
「危ないじゃない！」
「でも、あの時、『捕まえて！』って・・・」
「そりゃ、言ったかもしれないけど・・・」

（確かに言った）

『マミヤ写真館』の中・・・

私は、話題を変えようとスタジオの中を見回した。

「なんで、学校を休んだアンタが店番をしているワケ？」
「親父は出張撮影で留守だし・・・」
「あの・・・」

そのとき、お客さんが店に入ってきたので、昨夜の御礼を言いそびれてしまった。

「また来る・・・」

私はなぜか逃げるように店を出てしまった。
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表紙・目次

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