幼なじみ 【短編】
ハプニング
昨日は何だか微妙な感じになっちゃったな。

ちょっと会うのが不安。


でも優の事だから、きっと普通通りなんだろうな。

そう思い、一度深呼吸してから教室に入った。


教室に入ってすぐに、私を見つけた親友の紀子が、手を振って何かを叫んでいる。


「おはよう~」


にしては、何だか必死な感じで口パクパクさせてるの。

私はとりあえず大きく手を振ってみた。



『……ポン』



私は男子の大声に振り向いた。


教壇に立っている不服顔の優が、拳を突き出して止まっていた。


「はい、パーの人ね!!」


優の親友智昭が、みんなに向かって叫んでいた。

いや正確に言うと、どうやら女子みたい。

悲しがったり嬉しくてキャーキャー言ったりしていた。

まるで、このジャンケンに一喜一憂しているみたい。


私が手を振ったまま固まっていると、智昭に手を掴まれて前に連れて行かれた。



まだ鞄とか持ったままなんですけど……
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