隣の彼はイケメン兄弟?!
「田中さん・・・?」


そして、その時・・・私は田中さんの肩越しに視線を感じた。

えっ・・・?

私は正面を見た。


「隆志!」

私は思わず名前を声に出して言ってしまった。


「えっ?」

田中さんはびっくりして私を離し振り返る。


「山下さん?」

そして、何かを考えるかのように私の顔をジッと見て、もう一度隆志の顔を見る。


「山下さんが、何でここに・・・?って、今花音ちゃん、山下さんの事、隆志って言った?」


私はどうしようか分からず、オドオドするだけ。

すると、隆志は少しも笑いもせず「邪魔して悪かったね」と言って、自分の部屋へ入って行った。



「隆志!」


私は隆志を呼び止める。

どうしよう。



「花音ちゃん・・・?」

「はい・・・。」

「君、山下さんと・・・そういう関係なの?」


えっと、違うような、違わないような。



「一緒に住んでいるの?」

「あっ、そっ、それは違います!隣の部屋なんです!」


私は首を横にブンブンと振り否定する。



「そう・・・。」


それでも、田中さんの落胆の仕方は目に見えるほど分かる。

そして、田中さんは申し訳なさそうに「ごめんね」と私に謝ったのだった。




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