がんばれ!ノザワくん
電話を切った後、事務所から出て行ったよねちゃんは、すぐに戻ってきて、笑いを必死にこらえていた。

「よねちゃん、どうしたの?」

カヨさんが、よねちゃんに声をかけた。

「いや、今、所長から電話があって、お酒冷蔵庫に入れっぱなしで忘れたって…くくく」

どうやら、よねちゃんは、冷蔵庫にお酒が入ってるかどうかを確認しに行ったようだ。

「ええっ!それは大変!所長、あんなに楽しみにしてたのに!」

「で、今、ノザワ課長が取りに戻ってくるって言ってました」

「ノザワ課長も、大変だね。いろいろと遣われて」

「でも、持ってくのを忘れたのは、ノザワ課長らしいですよ。自業自得ですよ」

そんな会話をしていたら、ノザワくんが、お酒のビンを持って戻ってきた。

「いや~、忘れちゃったよ~!」

ノザワくんを見たカヨさん、爆笑。

「よねちゃ~ん、これ入れるいい袋、ないかな~」

と言ってるノザワくんに対して、よねちゃんは、事前に用意してあった大き目の袋を渡した。

「そのビン、大きいんで、このくらいの方がいいと思うんですけど」

「うん、いいね、これ。上等上等」

ノザワくんは、袋を受け取ると、急いで外へと走って行った。…転ばないでくれよ。

それにしても、よねちゃん、そこまで気を遣ってたのか。

きっと、冷蔵庫見に行ったのは、一升ビンの大きさを確認しに行ったんだろう。

なるほど、総括担当が誇る派遣社員だけのことはあるなっ。
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