がんばれ!ノザワくん
夕方、ノザワくんから電話があった。

『今終わったよ~』

わざわざ報告してくるのはいいんだけど、相変わらずのんきだな。

『書類、大丈夫だった?』

「キセ課長が違う書類送ってきたので、再送してもらいました」

『え?ダメじゃん、キセ課長!あれは個人情報だからね~、ちゃんと送る前に確認しなくちゃ!』

…オイラ的には、ノザワくんも十分ダメだと思うんだけど。添付間違い、しょっちゅうじゃんかよ。

『他には?』

「特にないです」

『何かあったら、ケータイに電話してね。あ、でも、この電話、電池がないから、ヤミー主任のケータイによろしく』

よねちゃんは、わけわからん、という表情をした。

確か、昨日の夕方、ノザワくんは「終わったら、自宅に直帰」って言ってたよな。ノザワくんの自宅は神奈川にあって、「明日休みだから、群馬には戻らない」って言ってたよな。

…ヤミー主任の電話に電話してどうするんだよ。ヤミー主任が静岡の自宅に帰るっていうなら、途中までは一緒かもしれないけどさ。

電話を切ったよねちゃんは、笑いをこらえつつ、ヒトコさんの所に言って、その話をしていた。

「ノザワ課長、おもしろすぎ~!」

ヒトコさんは、腹を抱えて笑っていた。
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