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それからも




電話はかかってこなかった。







いつも私が我慢できなくて電話をかけた。








でも、涼くんを責めることはなかった。





だって、大好きな涼くんと付き合えたんだもん。





文句なんてないよ。





何度も願ったんだもん。





いつもいつも夢見てたことが現実になったんだもん・・・・・・




私は、いくらでも待つよ。  




私は授業中、ずっと涼くんとの電話で何を話そうか考えた。





ノートの端っこに話す内容をメモした。





『サッカーのこと、飼ってる犬の名前、仲のいい友達のこと』


『今日の晩御飯、小さい頃の夢、キライな食べ物』


『好きな歌手、兄弟のこと。 私のことどう思ってる?ってこと・・・・・・』




毎回、メモに沿って質問をし、


時には話が盛り上がりすぎて1つの話しかできないこともあった。






だけど、何度電話をしても・・・・・・


最後の質問が聞けなかった。




『私の事どう思ってる?』





聞きたかったけど、聞けなくて・・・・・・




まだ私を好きじゃないんだって思っていた。



だけど、ゆっくり自分を知ってもらって、いつか好きになってほしいって・・・・・・











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