四季〜二人で歩む季節〜
和香ちゃんの向かいに腰を下ろし、紅茶を注文する。
「どうしたの?
何かあった?」
「………。」
言いにくい話なのか、和香ちゃんは下を向いたまま何も話さない。
あたしの前に紅茶が運ばれてきて、温かな蒸気が昇りゆくなか、和香ちゃんがやっと顔を上げた。
「…あたし、妊娠しました。」
「えっ?」
彼女の言葉は、ひどく震えていた。
今にも泣き出してしまいそうな瞳を揺らし、ぐっと唇を噛み締めている。
突然の事に、あたしは言葉をかけてあげる事も出来なかった。
しばらく沈黙が続き、先に口を開いたのはあたし。