四季〜二人で歩む季節〜


「うん、うまい。」

「良かった。」


レンは残す事なく、ペロリと平らげてくれた。


誰かに作るなんてあんまりないけれど、おいしいって食べてくれるのはやっぱり嬉しい。


「俺、ちょっと仕事忙しくなるから、なかなか帰ってこれなくなるかもしれない。」

「そっか。」


その翌日から、レンの仕事が忙しくなって、あたし達はすれ違いの日々を送っていた。


毛布にくるまって寝る程寒くはないけれど、レンの広いベッドに一人は寂しすぎる。


レンに抱かれないあたしは、本当にただの居候でしかないのかもしれない。


もうすぐ暑い夏がやってくる。


以前約束した、レンとの旅行が本当に果たされる日は来るのだろうか。
< 77 / 316 >

この作品をシェア

pagetop