アタシと王子様
忙しかったピークは過ぎて店の中は、あたしと先輩の2人になった。
おしぼりを補充したりトレーを拭いたり…
簡単な仕事をしながら時間を潰していた。
店内に流れる有線のジャズだけが耳に流れて来る。
「宗助っていつ来たの?」
先に口を開いたのは先輩だった。
「…バイトに行く時間の20分前ぐらいですね」
「ふ〜ん…」
「頭良さそうですね?立木先輩」
拭き終わったトレーを先輩がレジの横に運びながらアハハと笑った。