アタシと王子様
あたしを後ろからグイッと引き寄せると肩に顎を乗せた。
「桃花ちゃんは俺の大事な大事な彼女なんで…ケーキぐらい作るよ?100個でも200個でも」
先生も彼女も目を丸くしてあたし達を見ている。
「そ…そんなに食べれませんよ!!…ていうか…先輩…かの…ンッ!!!」
大きな甘い匂いのする掌があたしの口を塞いだ。
「桃花ちゃんは彼氏がいたんだね?知らなかった」
「カッコいい彼氏だね?」
「どうも♪…で注文は何にしますか?」
「アイスコーヒーと祐介は?」
「一緒でいいよ」
「ありがとうございます、お待ち下さい」
後ろから抱きしめられながら厨房へ向かった。