アタシと王子様
「ご注文は…」
何とか冷静を保って声が震えないように尋ねると2人は見つめ合うように笑いメニューに視線を戻す。
いいな…この人は先生の事を独り占めだもん…
辛い…辛いよ…逃げ出したい。
「この前のケーキって今日はあるのかな?」
「……あ、見て来ます」
「今日はないんですよ」
突然の先輩の声に振り返る。
「そっか…今日はないんだ…食べて欲しかったのにな」
「あのケーキは俺が作ったんですよ」
「え!?そうなの?!」
「だから、気が向いた時にだけ作ってるんで…すいません…あぁ、でも桃花ちゃんだけには特別に作ってあげてもいいかな?」
「……えっ??!!」
思いも寄らなかった先輩の言葉に声を上げた。