Melody Honey
「ウソをついた分と隠していた分の代償を教えてやるよ!」

脅すように桐生が言ったかと思ったら、
「――んっ…!」

強い力で唇を塞がれた。

こんなにも強い力で唇を奪われたのは、今日が初めてだった。

「――んんっ…!」

すぐに舌が口の中に入り込んできて、動き回るようになでてきた。

それは、もう生き物だった。

いつもよりも深いキスは、頭を早くおかしくさせた。

呼吸ができないくらい苦しくなっても、唇は離れてくれない。

「――はっ…」

頭の中がぼんやりとしかけた時、ようやく唇が離れた。
< 110 / 288 >

この作品をシェア

pagetop