Melody Honey
Melody3

大沢くんの言う通り

あの日以来、私は桐生の部屋に行くことがなかった。

部屋以外で顔をあわせても、いつも目をそらすのは桐生の方からだった。

それに対し、私は私で何もできなかった。


時間の流れがこんなにも悲しく感じるのは、何故だろう?

「――今日で3日目か…」

呟いた後、私はへこんだ。

ため息が何回かもれるばかりで、肝心の仕事に身が入らない。

そんな私に、
「あおいさん、大丈夫ですか?」

大沢くんが声をかけてきた。
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