Melody Honey
官能的な言葉が似合うその唇は、私のものなのに…。

サックスを吹くために使われるその指は、私のものなのに…。

全部が全部、それは私のものだと思っていた。

私って、こんなにも詩音に対する独占欲が強かったんだな。

そう思うと、PVを見るのがだんだんとつらくなってきた。

そばに置いてあったリモコンに手を伸ばすと、停止のボタンを押してテレビを消した。

「バッカみたい…」

自嘲気味に呟いた後、体育座りをした。

膝のうえにあごを乗せると、何も映らなくなったテレビ画面に視線を向けた。
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