サイレントナイト~赤くて静かな夜~
「行かねえよ」

「ええ~。結構性格キツイ系とか言われない?」

滝口が大袈裟におどけてみせると、ギャルはめんどくさそうに顔をしかめた。

「え~。クールとか言われちゃう系でしょ。
俺の周りは可愛い子がタイプなやつ多いんだけど、
俺はクールな子とか結構好きな方だから安心してよ」

ギャルは滝口の言葉には答えずに、「ANDOH」のバイクの後部座席に股がった。



「俺のことはさ、タッキーって呼んでくれればいいから。
君はなんて呼べばいい?」

バイクを飛ばしながら、滝口は後ろに座るギャルに叫んだ。

「ユリ子」

「え~。超女の子系の名前じゃん。
じゃあユリちゃんとか呼んじゃおうかな。
ユリちゃんは彼氏とかいない系?」

「いねえよ」

「え~。俺もしかして爆弾踏んじゃった?
ねえ?」

「うるせえな。いたらてめえのバイクに乗るかよ」

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