サイレントナイト~赤くて静かな夜~
オカジマの声に、シズカはゆっくりと目を開いた。

「おはよう、オカジマ」

裸の体をかくそうともせずに、シズカは小さな唇をゆっくりひいて微笑んだ。

「おはようじゃねえよばか。隠せ!」

オカジマは慌てて扉を閉めた。

「なんで服着てねえの?」

「私、服これしかもってないから」

扉越しに聞こえるシズカの声は、何の恥じらいも疑問も含んでいないようだ。

「そうじゃねえだろ。
ここはお前んちじゃねえんだよ」

「私のうちだよ。だってオカジマとシズカは家族だもん」

「……だからお前なあ……
押し入れのタンスにユリ子の服が入ってるから、それ着とけよ


オカジマはため息をついた。

昨日の夜家に入れた少女はどうやら思った以上にめんどくさそうなやつだ。
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