恋する星曜日~Pure Love Story~
カイト先輩がまた何か言おうとしたけど、あたしは「いいんです」と、先輩に向かって小さく首をふった。


それからダイスケの方に向き直って――



「ごめん、ダイスケ! 

あたし、ちょっと急用思い出しちゃった。

今日の下見は一人で行ってくれない?

本当にごめんね」



「えっ? おい、セーラ……」



ごめんね、ともう一度謝って、あたしはその場から駆け出した。

けど。

少し考えて、一度振り向く。



「ダイスケ! ユキコ先輩のこと、良かったね! おめでとう!」



笑顔で手を振る。



「おう、サンキュ!」



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