恋する星曜日~Pure Love Story~

「あのさ……大丈夫?」



沈黙を破ったのは、カイト先輩だった。


あたしは小さくコクンとうなずいてから……

恥ずかしさを隠したくて、一気にまくしたてた。




「あはは、あたし、バカみたいですよね。

デートに誘われたのかと思い込んでたら、ただの下見だったなんて。

すっごい早とちり。

でも、ダイスケだってヒドイですよね。

下見なら、最初から『下見に付き合って』って言ってくれれば、こっちだって誤解しないのに」



「セーラちゃん……」



「もう笑うしかないですよね、笑っていいですよ。

ってか、笑ってください。

あはははは!」



「セーラちゃんっ!」



テーブルの上で組んでいたあたしの両手の上に、カイト先輩がそっと手を重ねてきた。


< 74 / 438 >

この作品をシェア

pagetop