恋する星曜日~Pure Love Story~
季節は梅雨に変わり、毎日雨が降っていたけど、あたしの心は晴れていた。



「あー、疲れたぁ」



勉強が一段落して、ノートを閉じると、ふと、窓にあたる雨音が気になった。



「もうすぐ七夕なのに、この分だと今年は雨みたいですね」



今年の梅雨は、例年より雨が多い。



「かもな」



「織姫と彦星、会えないかもしれないですね」



「あ、それは大丈夫」



「大丈夫って、何が?」



カイト先輩はコーヒーを一口飲んで「七夕伝説はさ……」と話しはじめる。

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