銀色の月光
龍狩り
 この世界の月が、

碧い光を、

地上に投げかけていた。
 
白い砂漠の砂の上に、


人影ができるほどの光量
 
龍から見えなくするために

いつも頭から大きな布ですっぽりと

体を覆っている。

けれど、

今晩は役に立ちそうになかった。
 
布をまとった人間の姿が、

龍から丸見えだろう。


「これじゃ、今夜は動けないな。」

隊長であるヒルがつぶやいた。

そのとたん、

カナメが立ち上がり、

簡素なテントから出て行った。



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