KEEP OUT!!

「と、いう感じで……」

「…………」

 う、そ。

 なにそれ。

「す、すごい……すごいよ八重ちゃん!」

「えぇ!?」

「なにそのテクニック!! 魔性だ! 魔性の女だ!!」

 そ、そんな方法があったなんて!

 あまりのわたしの大声にびっくりして木にとまっていたスズメが一斉に飛び立つ。

 あらごめんなさい。

「八重ちゃんすごい!!」

「や、やめてぇぇぇぇぇ……」

 何度も「すごい!」を連呼するわたしに、全身完熟トマトみたいな色になっていく八重ちゃん。

 ちぎれ飛ぶんじゃないかと思うくらい全力で首と手を振ったりなんかして。

「うわぁん! ほんとものすっごい計算高い行動で自分で自分が恥ずかしいのよ~!!」

 両手で顔を覆い、うずくまる彼女。

 あ、湯気が見える。

(あ……)

 そんな彼女の姿を見て、気付いた。

「うん! そっか!!」

「え?」

「やっぱりわたし、八重ちゃんが好きだ!」

「ふぇ? あ、うん」

 あっけにとられている彼女の表情を気にすることなく「うんうん」とわたしは何度も頷いた。

 確かに、あの教室でのことはショックだった。

 でも今こうして話を聞いて、わたしは素直に“うれしい”と感じている。

 ふたりの間に進展があったことに、心から。

 それはつまり、八重ちゃんを応援したいという気持ちがわたしの中にしっかりとあるということ。

 これまでの想いに、嘘偽りなんてないということだ。

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