KEEP OUT!!
“窓のすぐ外から”声。
聞きなれた、若干腹が立つ感じの、この声は、まさか──
「なんでアンタがここにいるのよ──亮平!!」
勢いよく亮平宅側の窓を開けると、そこには片手に傘を持った状況で我が家の屋根に足をすでにかけていた“カレ”がいた。
「お~。生きてたかぁ──って、うぉっとぅ!?」
片手しか使えずバランスがとりにくい上に雨で足場が悪く、風が少し強く吹くだけでよろけてしまった亮平。
「ちょっ! 危ないから!! んもぅっ! 早く中に入りなさいよ!!」
「あ~悪いねぇ……」
「本気でそう思ってるならちゃんと玄関から入ってきなさいってのよ」
あ~もぅ部屋がびしょ濡れじゃない。
横風と、屋根から屋根へ渡るときに傘から身体がはみ出したのだろう、亮平は頭以外すっかり雨の洗礼を受けていた。
急いでタオルを取りにいくわたし。
「ふ~。いやぁやっぱ雨の日の屋根の上はデンジャーだな」
傘は屋根の上に放置して、全身を拭いていく亮平に、
「デンジャー、でも、ジンジャ、ーでも、炊飯ジャー、でも、なんでも、いいわ、よ……」
カーペットに滴り落ちた水をタオルで叩くようにして拭きながら文句をいう。
まぁ雨水だからシミになることはないだろうけど。
「そのツッコミならそんなに具合は悪いわけじゃなさそうだな」
「それはどうも──」
ん?
あれ?
「ちょっとまった。アンタ、学校は!?」
あまりに突然のことですっかり頭から抜け落ちてた。
ところが当の本人はあっけらかんとして、
「サボった」
なんてことをいう。
「はぁ? なんで!?」
「なんで、って。紗智が“あんなメール”よこすからだろう?」