本庁
第16章
16
美和子の一件から数日が経ち、高城和哉氏殺害事件の実行犯だった吉田栄輔と国谷由季子の二人に対する警察当局の取調べが順調に進んだ。
別々の取調官による取調べを受けていた吉田も国谷も最初は黙秘していたのだが、やがて吉田が斉藤貴之、南原誠一郎、飯田克広を使って高城氏を殺害させた旨認めた。
国谷も吉田の犯行の共犯であることを認め、高城氏の殺害事件に関しては捜査が終結した。
そして本庁のコンピューターに眠っていた、河東勇太郎作成のピーズファイルの存在がクローズアップされつつある。
警察が不正に使った九十億円の裏金の実態は暴かれた。
問題は美和子の毒入りコーヒー事件へと移る。
山口は思っていた。
「なぜ美和子は自分のコーヒーに自分で致死量未満の青酸カリを入れ、狂言のようなことを行ったのだろう?」と。
「紳ちゃん」
「何?山さん」
美和子の一件から数日が経ち、高城和哉氏殺害事件の実行犯だった吉田栄輔と国谷由季子の二人に対する警察当局の取調べが順調に進んだ。
別々の取調官による取調べを受けていた吉田も国谷も最初は黙秘していたのだが、やがて吉田が斉藤貴之、南原誠一郎、飯田克広を使って高城氏を殺害させた旨認めた。
国谷も吉田の犯行の共犯であることを認め、高城氏の殺害事件に関しては捜査が終結した。
そして本庁のコンピューターに眠っていた、河東勇太郎作成のピーズファイルの存在がクローズアップされつつある。
警察が不正に使った九十億円の裏金の実態は暴かれた。
問題は美和子の毒入りコーヒー事件へと移る。
山口は思っていた。
「なぜ美和子は自分のコーヒーに自分で致死量未満の青酸カリを入れ、狂言のようなことを行ったのだろう?」と。
「紳ちゃん」
「何?山さん」