猫と僕と
「凜……?」

「私、ずっと龍ちゃんが好きだった。時々帰りのホームだって改札だって一緒だったんだよ」

「凜…?」

「全然私の視線になんて気付いて貰えなかった。」





「凜!!」





もう訳がわからなくなって、僕は凜の言葉を止めた。でも、凜は話しをやめなかった。



「それでね、あの事故の日いつもより早い時間から龍ちゃんが来るのを待ってたんだけど、龍ちゃんは来なかった。いつもの出勤時間の電車には顔を出さなかった。だから……龍ちゃんがいつもいるホームに何と無く探しに行っちゃったの。」



僕は事故当日の事を思い出した。



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