准教授 高野先生の個人授業

「先生はすぐにパジャマ着る」

「ぼちぼち季節は冬だからね」

「夏なら着なくていいの?」

「うん。って言っても、僕はやっぱり着るかもしれないけど」

「えーっ」

「詩織ちゃんは着ないでいたらいいよ。なんなら昼夜問わず、ずっとでもさ」

「いったい、どんなプレイですか…」

そんなしょーもないことを話しているうちに、さらに瞼はしっかり閉じて、

聞こえる言葉も、発する言葉も、ぽつりぽつりになってきた

うっすらと、ぼんやりと、眠りに落ちていく中で、

「今日はありがとう」

先生の声がしたような…そんな気がした

そうして私は、髪を撫でる先生の手のひらに、どこまでも広がる優しさを感じながら、

揺ぎ無い安心感に包まれて、緩やかに眠りについていったのだった


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