僕の白雪姫


もう…
思い残すことはない。
ちゃんと振られたんだから…。





そう思って俺は眠りについた。





0時23分…





事件は始まってしまった。




ドアの開くと閉まる音がする。
誰か入ってきた。
誰だろ…?
見回りの人かな?





そう思ってまた目をつぶる。
だけど…





ガンッ!!!!






「イヤァァァァ!!!!」





姫の悲鳴、
それと
何かをぶつける音。





とっさに起き上がって
姫の方のカーテンを開く。そこには大きな石が姫の足の上に置かれている。
そこには姫以外誰もいなくて苦しんでる姫がいるだけ…。





「姫!!どうした!?姫!!」





叫んでも
姫は唸るだけ…
どうしたらいい!?
どうしたら
姫を助けられる?





どうしたら…





「大丈夫ですか!?」





慌てて入って来た看護婦さん。





俺は近くにいたのに
姫の名前を何度も呼ぶだけで
何もできなかった。







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