ほどよい愛
真面目に挨拶をしてくれる恭汰に、思いがけなく胸がドキドキした。

両親のいない私にとっては透は兄以上の存在。親でもある。

その透に挨拶してくれる恭汰を見ると…かなり嬉しい。

…別に、単なる挨拶だけど…。

「兄の透です。普段はイタリアで仕事してるんで、葵の事よろしくお願いします。…それと、慎也から聞いてるんで。二人が付き合ってるの知ってます」

『ふふん』って笑う透に苦笑いの恭汰。

「ち…ちが」

付き合ってなんかないって言おうとする私を軽く睨み

「こちらこそよろしく」
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