ほどよい愛
「…可愛さの理由はこれかなぁ?」

杏奈は私の首筋を人差し指で軽く触れた。

「キスマーク。結構目立つし」

「っ!」

慌てて手で隠しても

「ふふっ。いくつもあるし…」

意地悪な笑顔を向ける杏奈の肩は震えている。

「そんなに笑わないでよ」

…いくつも?

朝恭汰につけられたキスマークに違いないけど…もしかしたら今日一日中見られながら仕事してた…?

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