ほどよい愛

「やだって思ってないだろ?」

「誰か来るよ。見られたらやだ…」

「さっき鍵かけたから大丈夫」

そう言って不敵な笑いを浮かべると、恭汰は私の胸元に顔を埋めた。

チクッと痛みが広がる。何度も何度も。
恭汰の両手はブラジャーを下に押し下げると優しく胸に触れてきた。痛みと安心感が交互に押し寄せてきて、恭汰の頭を押し返すどころか。

愛しさを感じながらそっと抱き締めていた。
夢中で私の胸に赤い花のしるしをつけている恭汰。

今日のあなたはおかしいよ…。

キスマークなんて、つけてくれた事なかったのに。

何かあったの?
今日からの出張に関係あるの?

恭汰…どうしたの?


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