-意地悪王子な旦那様-
「い゛っ」
って言いながら起きた
周りをキョロキョロして誰もいないのを確認したようだ。
俺は、「みんな帰りましたけど、どうかしたんですか?」
ハッと顔を上げたこの子に心臓が跳ねた。
何だこいつ、今まで見てきた女の子より可愛い
…わけでもなく、普通に可愛い女の子だった。
けれど心臓が跳ねたのは嘘じゃない。確かに跳ねたんだ、この胸が。
この大きい瞳と赤い頬に。
動かないので「具合悪い?」と言うと。
「いえ大丈夫…です」と言った。
顔を赤くしたまんまの彼女に俺の顔も赤くなる。
「…………っ」
やめてくれ、その瞳で見んなよ!
彼女は気付いたのか、目をキョロキョロさせた。すると大きな声で
「うわっやばい、舞ちゃんに怒られるっ…。あ、あの、ありがとうございましたっ」
といって“舞ちゃん”のところに行ってしまった
もっと話していたかった。