-意地悪王子な旦那様-


「そう?てか、そろそろ委員会始まるな。急ご」


「え…?わわっ!」


安西くんは私の手を引っ張って廊下をものすごい勢いで走り出した。


ちょ、安西君速いっす


「良かった…間に合った」

「…………。」


「あ、速かった?ごめんな?」


息を切らして私の心配をする少し硬派な安西君を私は素直にイケメンだと感じた。


うん、“あんな奴”より全然イケメンだ!


「ん、大丈夫。…とりあえず手」


「…………?」

「離してほしいな〜…なんて。」


言うのがこんなに恥ずかしいなんて!

「ご、ごめん!」


真っ赤になった安西君を見てまた恥ずかしくなった。

「大丈夫、ありがとう!」

平気ふりを見せたものの、初めて男の子と手つないだため私の心臓の高鳴りが鳴り止むことを覚えない。



(緊張した…。)



ふと王子を見ると目があった。


(睨んでる…、何で?)



まぁ…大丈夫でしょ!







なんて思ったことを後悔するのはまだ先のはなし。




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