-意地悪王子な旦那様-
「名前で読んで?」
……抑えろ私、抑えろ!
「わ、わかりました」
「あ、わかってると思うけど、俺のことは呼び捨てね?」
「────はぁ゛??!!」
無理に決まってんでしょうがぁぁぁ!!
「梨杏チャン、俺のこと何て呼ぼうとしてたの?」
そういやそうだ。片桐…と呼ぶわけにはいけないし
「優ちゃん…とか?」
「なんでだよ」
ちょっと低い声で言う王子は少しだけ怖かったりした。
「う、うそうそうそ!!」
あ、焦った〜
いきなり低い声出すのは心臓に悪いよ
「…何が?」
「…は?」
「何が“嘘”なの?」
「なっ───意地悪…。」
少し目が潤んだのがわかった。だって、王子怖いんだもん。低い声出さないでよ…!
「───────。」
王子をチラ見すると、顔が赤くなっていた。
…ど、どうしたのかな?