先生×自分
「…南」

ポタッとお父さんの目から涙が落ちた。きっと、お母さんは信じる意味を見つけたはず。
お母さんなりの答えを…

「南、昨日どこにいた?」
「溝川さんの所だよ」
お父さんは、一瞬驚いた。何か昔、あったのかな?

「行ってくる」

え?まだ学校あるじゃん!行っていいの?
後でばれたら…クビになったら!

「教師、辞めてもいいよ」

それだけ言ってお父さんは走って行った。
本当にお母さん一筋なんだね。

これ、生放送じゃなかった…

…もうライブ終わってるよね。

ってことは、溝川さん家にいるのかな?
「先生、ありがとう」
「ばーか。将来に響くだろ?」

そんなことを言いながら私の髪の毛をぐしゃぐしゃにした。
ありがとう、先生。口は悪いけど…優しいんだよね。

「先生?」

「ん?」

そっと先生にキスをした。
照れてる先生に抱き着いて空を見上げた。

頑張ってね、お父さん。
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