初愛
秘密
「ん〜………。」

まだ陽射しは頼りないが、陽は目を覚ました。真哉に会うと思うだけで、陽の眠気は飛んだ。

「真哉来るかな…。」

昨日、軽く、バイだとカミングアウトしたのだが、真哉は全く信じていないだろう。

「つか…今何時よ?」

携帯電話を手探りで探す。…ふと、何だか硬い物に当たった。

「あっ?何だこれ?」

眼鏡をかけてない陽は、自分が触っている物が解らず、手で確かめていた。

「う…ん……?」

陽、では無い声を硬い物は発した。

「ん…その声は…!」

むくっと髪の長めな綺麗な人がぼやけてみえた。

「あはっ、ヒロミ、眼鏡かけなよ〜。」

ハスキーな声だが可愛さがある。

「…やっぱり碧っ!お前なんでここにいんだよっ!」

陽は眼鏡をかけて、碧と確かめて言った。

「だって合鍵あるし〜。」

下着の様な姿の碧は、鍵をヒロミに見せた。

「おっまえ…、昨日別れるっつっただろっ!!」

「え〜言わなかったよ。連絡するな、って言っただけじゃない。だ・か・ら、ヒロミに会いに来たのっ。」

「…それが別れるって意味だっ。」

「…もう…私の何がいやなのよっ。貴方の為に、何でも、したのに…。」

碧はボロボロと泣き出した。

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