新!狼×天然【番外編】
あの子にはたくさん迷惑をかけた。
たくさん悩ませた。
あいつのことで精一杯なのに。
俺のことでたくさん悩ませた。
だから俺は言ってしまったのかもしれない。
決して自分の気持ちだけは偽らないと決めてたはずなのに。
『俺はこれからも、もちろん今までも、実紅ちんを大事な友達って思ってるよ』
嘘、そんなの嘘。
友達なんて思えるはずなかった。
友達の彼女なのに。
俺の中でも女の子だった。
今まで付き合った女はたくさんいるし、もちろん俺から告白した女だって中にはいる。
でも、俺が告白したのは好きだったからじゃない。
友達に彼女ができて、ちょうど俺に彼女がいない時、寂しさを紛らわすために告白しただけだった。
中学時代の付き合いで、楽しかったって感じたことはあるけど、別れたあと、辛いって感じたことはなかった。
だから俺の中学校では、俺には“来るもの拒まず去るもの追わず”が染み付いていた。
.