新!狼×天然【番外編】



あの子にはたくさん迷惑をかけた。

たくさん悩ませた。

あいつのことで精一杯なのに。

俺のことでたくさん悩ませた。



だから俺は言ってしまったのかもしれない。



決して自分の気持ちだけは偽らないと決めてたはずなのに。



『俺はこれからも、もちろん今までも、実紅ちんを大事な友達って思ってるよ』



嘘、そんなの嘘。

友達なんて思えるはずなかった。

友達の彼女なのに。

俺の中でも女の子だった。



今まで付き合った女はたくさんいるし、もちろん俺から告白した女だって中にはいる。



でも、俺が告白したのは好きだったからじゃない。



友達に彼女ができて、ちょうど俺に彼女がいない時、寂しさを紛らわすために告白しただけだった。



中学時代の付き合いで、楽しかったって感じたことはあるけど、別れたあと、辛いって感じたことはなかった。



だから俺の中学校では、俺には“来るもの拒まず去るもの追わず”が染み付いていた。



.
< 2 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop