物の気持ち絵本(絵なし)短編集
桃太郎の気持ち
桃子と太郎の夫婦から生まれた子ども

性を定岡

名を桃太郎

彼は口元に大きなほくろが二つあった

彼はその時代故の貧しさによって、その夫婦では育てることができない

生後1ヵ月

桃太郎は大きな鍋に入れられた

夫婦はフタをし、桃太郎との別れを惜しんだ

泣く泣く桃太郎を入れた鍋を川へ流した

桃太郎が誰かに拾われて育ててもらえることを祈りながら
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