『契約』恋愛

でももう、それも終わりなんだろう。

ついこの前、期限が切れるまで隣にいてほしいと思ったばかりなのに、期限が切れる前に終わってしまうなんて…。

まだ二週間、されど二週間。
風春にとって、私は何だったんだろう。なんて、改めて考えるとなんだか虚しい。

だんだん落ち着いてきた呼吸とともに、乱れていた思考も冷静さを取り戻してきた。

そんな頭に浮かんできたのは、私には時間がないっていう逃げ場のない事実。

どうせどんなに願っても、私たちの関係にはいずれ終わりがくる。だからちょっと、その終わりが早かっただけ…。

いつか風春に言ったように、“永遠”なんて存在しないのだから。
< 107 / 286 >

この作品をシェア

pagetop