『契約』恋愛

side:/ YUKINO


無機質な白に囲まれた、四角い部屋。
淡いピンクのカーテンとほんのりと青い部屋着が、少しだけ部屋を彩っていて。

ツーンとする独特な匂いに、腕につながれた点滴に、思わず眉間にしわが寄る。

結局、私はまたここに、戻ってきてしまったのだ。

覚悟はしていたし、自分の死はいつでも考えていたけれど、やっぱりここに来ると虚しい。

きっと再び外に出ることは叶わないだろうと、そんなネガティブな考えしか浮かばない。

だいたい、どうして私はあのまま死ねなかったんだろう。

自分の病気のことも、風春への想いも、すべてから解放されて、楽になりたかったのに…。

あのときなら、抱き始めていた死の恐怖も、全く感じることなんてなかったのに…。
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