『契約』恋愛

「……佐山君には、すべてを知る覚悟はある?」


覚悟…?
覚悟なんざ、とうの昔にできてんだ。知らなきゃ、もう前に進めねぇだろ。


「すべてを知った上で、それを受け入れることができる?」


以前、ほんの少しだけ感じた雪乃の闇…
受け入れることが雪乃の闇を照らすことにつながるのなら…。
たとえどんなことであろうとも、すべて受け入れて、一緒に背負ってやる。


「どんな言葉で突き放されても、雪乃を想う気持ちが変わらないなら、あたしについてきて。
雪乃のところに、連れて行ってあげる。」


今更、躊躇うことなんてない。
一度突き放され、その痛みを知って。
でもそれが雪乃の虚勢だと知った今、俺の気持ちはもう揺るがない。

だから、会いに行くよ。

たとえこの先に、
何が待ち受けていようとも。
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