『契約』恋愛
私は空から凛の方へ視線を向け、怪訝な表情を浮かべる凛に答えた。
「うん、今日はいいの。なんか佐山君、委員会あるみたいだし。」
「へぇ。」
そう短めに言ったかと思うと、凛の目はゆっくりと私を捉えて…。真剣さをたたえる大きな瞳に、あたしは思わず目をそらした。
だって凛がこんな目をするときは、決まって同じことを言うはずだから…。
「…雪乃、最近大丈夫?」
ほら、やっぱり…。
彼女の口から放たれたのは、私の体を気遣う言葉。私に現実を思い出させる、温かくもつらい言葉――…