My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
長澤真人。
私が新卒でこの会社に入ってすぐ配属された第一営業部に彼はいた。
今考えればいかにも女好きそうなチャラい人で、仕事はできるが女癖が悪いことで密かに有名だった。
私は不幸にもその人のアシスタントとして配属されたので、必然的に接する機会が増え、いつの間にか好きになっていた。
…でも、彼の中で私は何人かいる都合のいい女のうちのひとりだったようだった。
本命は、あの安堂百合だったとか。
―――その事実が判明してから、長澤は私を徹底的に無視しだした。
売上のある人だったから、他の先輩も迂闊に間に入ることができなかったのだ。
それが半年ほど続いた後、彼は急に札幌支店へ異動となり、周りの私に対する態度も普通になったのだが、私は営業部に馴染めなくなっていた。
――その長澤が戻ってくるだなんて…