My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜
―――午後になると体調も元に戻ったようで、いつも通りに仕事を進めることができた。
忙しい桂木所長に頼まれて資料をまとめていたのだが、足りないものがあることに気づいた私は、本社の資料室へ向かった。
資料室は一階の一番奥にあり、めったに人の出入りがないため埃臭い。
私は早く戻りたくて夢中で資料を探した。
――ガチャ…
「誰か、いるのか?」
珍しいこともあるもんだ。
私は入口の方を見ることもなく、資料探しに没頭していたため適当に返事をした。
「…早百合?」
聞き覚えのある声。
声の主は私の方へ近づいてきた。
―――まさか…
「やっぱり。久しぶりだなぁ、…早百合」
やっぱり、長澤真人。