My darlin' Scientist〜私の彼氏は変わり者〜



―――午後になると体調も元に戻ったようで、いつも通りに仕事を進めることができた。

忙しい桂木所長に頼まれて資料をまとめていたのだが、足りないものがあることに気づいた私は、本社の資料室へ向かった。

資料室は一階の一番奥にあり、めったに人の出入りがないため埃臭い。
私は早く戻りたくて夢中で資料を探した。



――ガチャ…

「誰か、いるのか?」

珍しいこともあるもんだ。

私は入口の方を見ることもなく、資料探しに没頭していたため適当に返事をした。

「…早百合?」

聞き覚えのある声。
声の主は私の方へ近づいてきた。

―――まさか…

「やっぱり。久しぶりだなぁ、…早百合」

やっぱり、長澤真人。



< 42 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop