悪魔の妹と天使の彼女

それから数時間話した。
「結構話したな。」
「そうね。あーあ、今から検査だ・・・じゃあ、また明日にでも話そう。バイバイ。」
「じゃあな。」
それで俺は自分の病室に戻った。
そしたら、ミエルが来ていた。
「お兄ちゃん、どこ行ってたの?」
「ちょっと気分転換に。」
「そうなんだ、これお見舞い。」
と言って俺の好きな梨を持って来てくれた。
「これ高かっただろ?」
「まあね。でも、ボク、自分のお小遣いで買ったんだから。味わって食べてね?」
「サンキュー」
梨を剥こうと思った力を入れると腹部が痛んで、切れなかった。
「ミエルは梨剥ける?」
「あ、お兄ちゃん、怪我してたんだった・・・剥けるから剥くよ。」
そう言って、危なっかしい手つきで剥いてくれた。
「はい。」
「ありがとう。」
ミエルの剥いた梨を一つ口に入れた。
「美味しい。」
「良かった。」
それから数分で全部食べた。
「いや~、梨は良いね。」
「お兄ちゃんが梨好きってサリリお姉ちゃんに聞いたから。」
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