十五の妄影(もうえい)
だけどその直後。

「あー…あれは何でしょうか?」

テレビからのリポーターの声。

画面を見る私。

リポーターと私。

言葉を失うのは、ほぼ同時だった。

…画面に映った、晋作君の姿。

その晋作君の背後に、影が映っていた。

影。

それ以外に何と形容すればいいのだろう。

晋作君の背後を覆うように、2メートルほどの高さの影が寄り添っていた。

その形状、その色。

まるで巨大な悪魔の翼が、晋作君の背中に生えているように見えた。



< 105 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop