十五の妄影(もうえい)
画面に映った横顔。

少し遠くからの映像だけど、私はすぐに確信がもてた。

あれは…晋作君!?

日向高校での連続殺傷の犯人が…晋作君なの!?

そんな…優しい彼が何で!?

そこまで考えて、ふと思い当たる。

そうか…いじめていたクラスメイトへの復讐…。

とうとう彼の限界が来てしまったのだ。

なんて事だろう…。

最悪の事態に、私の体は小刻みに震える。

何て事をしてしまったの、晋作君。

そんなに思い詰める前に、どうしてもっと私を頼ってくれなかったの…?

昨夜会話を交わしたばかりの晋作君のはにかみを思い出し、私は苦い思いを噛み締めた。

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