十五の妄影(もうえい)
もう僕を止められる者はいない。

誰も僕を否定できない。

もう誰の顔色も窺わなくていい。

いじめられる毎日なんておさらばだ。

なのに…。

またあの虚無感に襲われる。

まるでお前のやっている事は間違いだって責められるみたいに。

虚しさだけが胸の中を去来する。

どうして?

僕のやっている事は間違いなのか?

僕がずっといじめられ続けて、耐えていればよかったのか?

僕は否定され続けるしかなかったのか?

力ずくで僕を押さえつけようとする連中を返り討ちにする度に、僕の虚無感は大きくなっていく…。


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