十五の妄影(もうえい)
第三章、晋作
母さんの小言も途中で無視して、僕は二階の自室に戻る。

鞄を放り投げ、着替えもせずにベッドに突っ伏す。

…全身が、痛んだ。

凶暴なまでに僕を痛めつけたクラスメイト。

あの凶悪な表情が、脳裏に思い出される。

明日も…同じ事をされるんだろうか。

そう思うと、心の底から学校に行きたくなかった。

孤独なだけでも心が折れそうなのに。

この上暴力までなんて…。

痛めつけられ、力尽きて畳に這い蹲って、クラスメイト達に見下ろされていた自分を思い出し、羞恥と屈辱で顔が上げられなかった。

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