十五の妄影(もうえい)
第五章、晋作
新しい朝が来た。

僕はベッドから起き上がり、たった一人の食卓につく。

昨夜は眠るのが遅かったので、少し睡眠不足だ。

…夜の間に、妄影について色々と試してみた。

僕の感情の昂ぶりに呼応してその姿を現す事。

僕の望んだ通り、ほぼ思い通りに動いてくれる事。

扱いに慣れれば、もっと色々な動きを、僕の意思でしてくれそうな事。

思った通り、妄影は『僕の分身』であり『もう一人の僕』らしい。

だけど…。

僕は出来るだけ妄影の姿を出さすに済むよう、感情を昂ぶらせないように努めようと考えていた。



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