『舞桜』


「…何か?」

「あなた何様!?」



ふと呟けば近くにいた女子が甲高い声を上げた。




雫の取り巻きの一人なのだろう。


彼女は顔を真っ赤にして怒鳴り散らしているが、桜花にとっては、耳障りな音でしかなかった。




呆れるしかない。




これが良家のご息女だとでもいうのだろうか?

これではただ騒ぐしか能のない動物としか思えない。





「黙れ」



雫も流石に煩わしかったらしい。
冷めた一言で黙らせた。



< 68 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop