『舞桜』
「お、桜花、ごめんね」
すごくすまなそうに香が言った。
「なんであなたが謝るの?」
桜花を怒らせたのはあの少女と、雫だ。
少女に関しては怒りと言うより呆れ。
雫は、再会までになにがあったにせよ、皿を投げつけたこともある。
もちろんその原因は雫の発言なのだけど。
「桜花、やっぱり大丈夫?」
「…え?」
"汚いんだよ"
その一言が思い出されて、少し、意識が飛んでいたらしい。
気づけば香が私の顔を伺っていた。
「何でもないから。」
私は、苦笑いしか、返せなかった。